リスクに基づくモニタリングとは何ですか?
リスクに基づくモニタリング(Risk Based Monitoring:RBM)とは、事前に臨床試験のリスクを評価し、問題を発生しにくくすること。また、発生してしまった問題に対しては是正だけに留まらず、今後の予防策を講じることによって再発を未然に防ぐということを目指した考え方です。
日本においては、2013年7月に厚生労働省より事務連絡が発出され、問題が起きてしまってからの対処だけではなく、リスクの回避・軽減策を重要視する考え方が重要視されるようになってきました。
具体的にはリスクの重大性と発生頻度を評価し、対応策を実施医療機関と共有することで、ハイリスクの事柄を優先的に確認や対応、対策を講じるということがされています。
今年の7月5日にも厚生労働省より最新の情報「リスクに基づくモニタリングに関する基本的考え方について」(薬生薬審発0705第7号:厚生労働省医薬・生活衛生局医薬品審査管理課長 令和元年7月5日付)が出されました。(以下、抜粋)
a)データの欠測、不整合及び外れ値、事前に予測されていたデータのばらつきがないこと並びに治験実施計画書からの逸脱の特定
(b)実施医療機関内及び施設間におけるデータの範囲、一貫性及び変動等、データの傾向の検討
(c)実施医療機関内又は施設間におけるデータ収集及び報告の体系的又は重大な過誤、データ操作の疑い若しくはデータの完全性の問題を示す可能性の評価
(d)実施医療機関の特性及び性能指標の分析
(e)オンサイトモニタリング実施対象の実施医療機関及び(又は)プロセスの選択
モニタリングの計画時には、上記のようなことを重要視した立案が必要です。
食品の臨床試験(ヒト試験)のご相談は免疫分析研究センターへ