よくある質問

天然のものは良くて安全というのは本当ですか?

近年のオーガニックや自然派ブームの影響か「天然成分」「天然由来成分」と表示がされていると良いものというイメージを持つ方もいらっしゃるのではないでしょうか。2010年度に内閣府が実施した『身近にある化学物質に関する世論調査』では、「化学物質」という言葉の印象について「危ない物」と答えた人が70%近くもいたそうです。このように「天然物質」は良いもの、「化学物質」は悪いものというイメージを持つ方は多いようです。
しかし、天然のものだから必ずしも良いもので安全なものであるとは断言はしきれません。虫などから身を守るために植物自体が毒物をつくって身を守っていることもあり、天然物でも注意が必要なこともあります。例えば、最近流行しているタピオカの原料であるキャッサバも下処理が不十分な状態では人体に有害な物質も含まれているそうです。
安価で簡単に物質の変異原性を評価するAmes試験の考案者であるBruce Ames博士が「アメリカ人の食事に含まれる農薬物質の99.99%が植物由来の天然農薬である」という主旨の発表を1990年しています。
上記はいささか極端な数字と感じた方もいるかもしれませんが、実際に濃縮された天然物には注意が必要です。通常の食事で摂取する量では問題がなくとも、成分が濃縮された状態での摂取が思わぬ影響を与えることは否めません。昨今ではエナジードリンクの大量摂取によりカフェイン中毒で死亡者が発生したニュースもありました。加えて、サプリメントの過剰摂取による肝機能障害のニュースも定期的に耳にします。
消費者の方がたくさん飲んだら効くかもと思い込んで過剰摂取する例はありますので、安全性確認のために過剰摂取試験を実施し注意喚起の目安とする企業様も増えています。

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